大人が学ぶ!「ねずみの恩返し」のあらすじと教訓を解説します

イソップ寓話「ねずみの恩返し」とは?

 うっかりもののねずみの命をライオンが助けてあげたことから、ねずみがライオンに恩返しをする物語ですね。小さなねずみに何ができるんだ?とは思わないでください。ねずみだって役に立つことがあるんです。ライオンには気づくことができなかったねずみの持つ力に注目してみてください。

「ねずみの恩返し」のあらすじとは?

 あるときにライオンが寝ていると、ライオンの身体をうっかり駆け上がってしまったねずみがいました。ライオンは目を覚まし、ねずみを捕まえてしまいます。ねずみはライオンに向かって命乞いをします。「どうかお許しください。私の命を助けてください。もし見逃してくれたら、いつか必ず恩返しをすることをお約束します。」ライオンは、「こんな身体の小さなねずみが百獣の王であるライオンを助けることなどできないだろう」と思いましたが、きまぐれにねずみのことを逃がしてやったのです。

 それからしばらくして、ある日ライオンが人間の仕掛けたワナに引っ掛かってしまい、動けなくなっていました。ライオンがうめき声を上げていると、いつか助けたねずみがどこからともなく姿を現したのです。ねずみはライオンに絡み合っている縄を自分の鋭い牙で噛み切りはじめました。ねずみは見事にライオンをワナから救い出し、あのときの約束を果たしたのです。

「ねずみの恩返し」から学ぶ教訓とは?

強者でも弱者の助けを必要とする

 普通であれば、ねずみのような身体の小さなものが、その何百倍もあるライオンを助けるような状況も起こりうるわけです。事実、この物語ではねずみはライオンを見事に助け出します。

 転じて、自分自身が勢いに乗って調子がいいとき、他人をぞんざいに扱ったり、馬鹿にしたりしているといつか痛い目に合うかもしれないということを肝に銘じておく必要があるのです。自分の立場や行動を見つめなおすきっかけになる物語ですね。

情けはひとのためにならず

 人に親切にすれば、その人のためになるだけではなく、いずれはよい報いとなり自分に戻ってくるものなのです。「情け」とは、他人のためにかけるのではなく、自分にかけるものと理解しておくことが大切です。つまり、「いいこと」をしたという満足感があればいいのです。だから、他人にしたいいことは忘れてしまっていいのです。ただ、相手はいいことをしてもらったわけですから、絶対忘れないと思いますよ。見返りを求める必要もなく、人としての心のあり方が大切なのです。

その場の感情に流されない

 ライオンは気まぐれかも知れませんが、その場の感情に流されずにねずみを逃がしてあげます。もし、感情的に行動していれば、ライオンを助けてくれることになるねずみがいないわけですから、ライオンが人間のワナに引っ掛かったときに助かることはありませんでした。

 育った環境の影響が大きいとは思いますが、その場の感情に流されないことが大切です。感情で自分の行動がコントロールできないのは、「切れている」証拠です。つまり、「考える」ということができないのです。

 後先のことや、その場の行動でどう損をしてしまうのか?冷静になれば、分かることですね。

大人になった今、「ねずみの恩返し」をもう一度読み返してみる

 イソップ寓話の「ねずみの恩返し」。子供の頃に、誰もが一度は耳にしたことがある話だったと思います。大人になった今、この物語を読み返してみると、子供の頃には読み取れなかった教訓を感じ取れるようになっているものです。

 そして、この物語は「寓話」であるということです。寓話とは、「教訓を伝える物語のこと」です。紀元前にこの物語が成立していたという事実から、はるか昔から人々への教訓は共通していたと思うと面白いですね。

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