❝ 澄んだ眼の底にある深い憂いのわかる人間になろう。重い悲しみの見える眼を持とう。
❝ 暖かい春の陽ざしをポカポカと背中に受けて、平らな道をのんびりと歩いてゆく──。そんな調子のいい時ばかりはないんだな。
❝ あのときのあの苦しみも、あのときのあの悲しみも、みんな肥料になったんだなあ。
❝ 枯れたすすきがまだ美しいのは、いのちいっぱい一生けんめいに生きてきたからだ。
❝ かんのんさまがみている。ほとけさまがみている。みんなみてみている。ちゃんとみている。
❝ いいですか。いくらノロいくても構いませんよ。大切なことは、いつでも前を向いて自分の道を歩くことですよ。
❝ セトモノとセトモノとぶつかりっこするとすぐこわれちゃう。どっちかがやわらかければだいじょうぶ。やわらかいこころを持ちましょう。
❝ にんげんはねぇ。人から点数をつけられるためにこの世に生まれてきたのではないんだよ。にんげんがさき、点数があと。
❝ わかってたまるか。人に踏まれてばかりいる、雑草のくるしみが。
❝ あとじゃできねんだよなあ。いまのことは、いましかできぬ。
❝ 他人のものさし。自分のものさし。それぞれ寸法がちがうんだな。
❝ 背筋をのばして、肩ひじ張らず、すんなりさらさらゆきましょう。水のようにそれがなかなかできないわたし。
❝ よくまわっているほどコマはしずかなんだな。
❝ ボロは初めに見せておけ。そうすればいつでも天下泰平だ。
❝ 美しい花を見た。美しい花は美しい枝についている。美しい枝は美しい幹についている。美しい幹は美しい根っこがささえているにちがいない。